命の重なり 花を紡ぐ
存在をつなぐもの
長い長いと感じていた今年の冬はあっけなく終わりを告げ、一気に押し寄せた春、そして移り変わりに伴うお天気の不安定さに一喜一憂するすでに3月の終わり...
実に久しくぶりの投稿です。
月日は過ぎる最中より、過ぎてからの振り返りでその早さを実感し、必死さも努力も積み重ねの結果として望むに至れたのかまたは至れなかったのかをふと認識できたりするもので、でも願わくば歩んできた道になるべく後悔を残さず、上手くいかなかったことも何かの糧にできるように意識を向けることが大切ではないかと思います。
今から数年前に「おじいちゃんが少し出ているよ」と、親族から譲られた本をただ日常の傍らに置いていて、だいぶの時間を経て開いてみるとそこには今の私よりもずっとずっと若い祖父がいました。
9歳にして入寺し僧侶としての人生を全うした祖父は、父が17歳の時に亡くなったので会ったことはありません。
本の舞台は小豆島の西光寺。主人公は尾崎放哉という俳人です。
彼が人生の終焉を迎えるまで過ごした西光寺奥の院での八カ月。
彼の実に不安定で一貫性に欠ける感情や振る舞い、悪化の一途をたどる病状が、鮮烈な描写で描かれた作品です。
読み進めていくと確かに時折小坊さんとして登場する祖父がいて...
句作を好んでいたと聞かされている祖父の一片を感じながら、そして想像しながら、繋がってきた命の重なりに不思議さと、縁というものにもし意味があるのなら、心して向き合う必要があるのだろうと、自分なりの一方的な解釈に至りました。
表現することは開放すること、受け入れること、許すこと
人と比べることもなく、競うものでもない
無から形創られた写し鏡のような存在は、作者そのもの、出会いそのものといえるのではないでしょうか。
祖父が生涯をかけて言葉を紡いだように、私は生涯をかけて花を紡いでみようと思います。
と、なぜ一冊の本からこんな派生をしてしまったのか...
それはつい数日前、この本のブックカバーが私にこの本を手渡した本人のお手製と分かったから☺
血だわ...と、なんともあきれるほど愛おしい
目に見えないものを形にしていくことは大なり小なり力のいることで、着目点からウェート置き方はそれぞれにしても、今回は自分の物差しよりだいぶと手前での出来事に、軽い衝撃を受けてしまいました。
こうしたアクシデントはありがたいもので、少し角度を変えてもらいまた結局お花に還元させて頂くのがいつもの常。
曾祖父が曾祖母に宛てた詩を、私が今こうして読んでいるように、私の曾孫は私の作り残しを見てどうのこうのいう日が来るのかもしれませんね。
息子はもうすぐ私の曾祖父や祖父が親元を離れた年になりますが、彼にそんな覚悟は微塵も感じられません。
親もまた同じで恥ずかしい限りですが、平和な時代に生まれ安心して暮らせている今に感謝できるようこんな時代だからこそあえての教えが必要なのでしょう。
長い長いと思っていても必ず春が来るように、あっという間の人の命
流れのごく一部でも、意味を成すなら幸せなこと
遠いずっと先で祖父に会えたら紡ぐ言葉を聞かせてもらいたいと思います。
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