音に溢れた夏休みも終わり起き抜けは薄暗く、ふと季節の移り変わりを感じられるようになってきました。

自身の振り返りをよそに、他人を介しての振り返りで時間の進み具合を計る。それは例えば子供の成長であったり、絶望して悲しみに暮れていた人が少しばかり笑えるようになっていたり、年を重ね色々なことを不必要と手放し、行く末は必要なことさえ忘れていくように、命は一時の灯りのようなもので強弱をつけ揺れたり静止したりを繰り返しながらいつかは燃え尽きていくものなのでしょう。それはとても自然なことなのにいちいち邪魔をするような、煩わしい感情やそうであるべきと自分で作ってしまった思想に苦しむこともまた人間らしさなのかなと、ふと浮き上がった意識とともに自らも支配されていることへの気づきは連続した日常に色を付け、混ぜておけばよいものを、わざわざ色分けしたい衝動でかえってややこしいものにしてしまい、シンプルで潔い人生にすることの難しさにまだまだ成長が必要なのだなと痛感します。

お花は外も中も少しゆっくりモードで、どうしようもなく進めない時は、逆らわずわずかな備えでやり過ごす。人も植物も同じように循環する命の一部だから、きっと小さな小さな何かに想いとどまる必要などないのかもしれません。

先日お打ち合わせにお立ち寄りいただいた女性は、来月ご出産予定だそうで、もともとお電話でのお問い合わせの時もご丁寧で遠慮がちなご様子でしたが、はじめましても不安と緊張が伝わってくるような（そうね会っても会わなくても不安を与えてしまうワタシの実体．．．😅）

いつも通り雑談8割のお打ち合わせで、話すことは出産や育児の事👶

「なんとかなる」という言葉をかける方は励ますような思いで、受け取る側はつけ放されているような感覚になるもので、見えない先や取り巻く環境の変化に、ただ漠然と備えているときの不安感は大なり小なり誰しもがもっていて、周りのサポートや、やがて経験という学習によって習慣化されれば和らいだり、そうでなければ大爆発したりで、特に子育てという自分以外の対象物に振り回されイレギュラーな事態のオンパレードは、心も体もバランスを崩すのは当然のこと。他の子が手がかからなく思えたり、まわりのお母さんたちが余裕で育児をしているように見えたり、どんどんと転がり落ちていくような底なし沼．．．

ではどこが底で終わりはあるのか．．．

出産後検索しまくった出口☺

答えは結局わからないまま8年が過ぎましたが、私の場合は保育園という息子の社会生活の始まりで、同じフィルター越しでもそれぞれに別の世界を持てたことが大きかったように思います。

宙に浮いたような夏の日に、ふと自身を振り返り深く重苦しいと過ごしていた日々が、離れてみるとわりと薄っぺらく感じるようになっていることに気づかされたのと同時に、立ち返ったいつかの感情はなるべく同じ重さで覚えていたいと思えた一日でした。

色々と落ちているものを拾いがちな性分で、見ないよう執着しないよう依存しないよう気をつけて生きていますが、結局振り返って戻っては拾ってを繰り返している間に、混み合った頭の中は、風も通らず、ひとしきり膨れ上がった後、跡形もなく蒸発してしまうまで手もつけられず、耐えるというのか待つというのが正しいのか．．．

大人になれば何でもできると思っていたのですが、重ねたり色付けすることは経験で補えるのに、引いたり隙間を作ることはもっと先天的な何かが必要なのか難しいものですね。

完璧さは前提であって追うものは築いたものをどう崩して新たに再生していくか

まだまだ残りの人生も楽しいなとふんわりゆるやかに馳せながら、あっという間に過ぎていく日常とモノづくりを楽しみたいと思います。

目には映らない無の存在の美しさを誰かに感じていただけるように．．．